CaやMgの含有量について

炭酸カルシウム含有量と酸化カルシウム含有量
石灰石は炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分としておりその炭酸カルシウムの純度は炭酸カルシウム(CaCO3)の含有量で表示するものと酸化カルシウム(CaO)の含有量で表示するものの2種類があります。酸化カルシウムの含有量で表示するものは二酸化炭素(CO2)を除いた値となる為、たとえ炭酸カルシウムだけでできた石灰石でも100%になることはありません。現在は酸化カルシウム(CaO)の含有量で表示するのが一般的です。

炭酸カルシウムN%含有の石灰石は以下の計算で酸化カルシウム含有量に変換できます。
CaO含有量(%)=N×CaOの分子量÷CaCo3の分子量
 =N×(Caの原子量+Oの原子量)÷
 (Caの原子量+Cの原子量+3×Oの原子量)
 =N×(40.08+16.00)÷(40.08+12.01+3×16.00)
 =N×56.08÷100.09
 ≒N×0.560296
上の計算式を用いて逆に酸化カルシウムの含有量(N%)から炭酸カルシウムの含有量は以下の計算で求められます。
CaCo3含有量(%)=N×÷0.560296
これらの計算式から100%の純度の炭酸カルシウムはCaOの含有量で言うと約56%と言うことになります。

また原子吸光法でCaの含有量(N%)が測定できた場合は以下の計算式でCaOの含有量を求めることができます。
CaO含有量(%)=N×CaOの分子量÷Caの原子量
 =N×(40.08+16.00)÷40.08
 ≒N×1.399202

炭酸マグネシウム含有量と酸化マグネシウム含有量
炭酸マグネシウムの純度も炭酸カルシウム同様、炭酸マグネシウム(MgCO3)の含有量で表す方法と酸化マグネシウム(MgO)の含有量で表す方法があります。現在は酸化マグネシウム(MgO)の含有量で表示するのが一般的です。

例えば炭酸マグネシウムN%含有の苦土は以下の計算で酸化マグネシウム含有量に変換できます。
MgO含有量(%)=N×MgOの分子量÷MgCo3の分子量
 =N×(Mgの原子量+Oの原子量)÷
 (Mgの原子量+Cの原子量+3×Oの原子量)
 =N×(24.31+16.00)÷(24.31+12.01+3×16.00)
 =N×40.31÷84.32
 ≒N×0.478060
上の計算式を用いて逆に酸化マグネシウムの含有量(N%)から炭酸マグネシウムの含有量は以下の計算で求められます。
CaCo3含有量(%)=N×÷0.478060
これらの計算式から100%の純度の炭酸苦土はMgOの含有量で言うと約47.8%と言うことになります。

また原子吸光法でMgの含有量(N%)が測定できた場合は以下の計算式でMgOの含有量を求めることができます。
MgO含有量(%)=N×MgOの分子量÷Mgの原子量
 =N×(24.31+16.00)÷24.31
 ≒N×1.658165


アルカリ分とは
アルカリ分とはその肥料がアルカリ性に土壌を矯正できる能力を示し、酸化カルシウム(CaO)の含有量が1%であればアルカリ分1%と表します。但し苦土(MgO)にも1分子当り同じ程度の土壌矯正能力が存在するので、CaOの分子数に換算した値を加算して計算します。

アルカリ分(%)=CaOの含有量+MgOの含有量×CaOの分子量÷MgOの分子量
 =CaOの含有量+MgOの含有量×56.08÷40.31
 ≒CaOの含有量+MgOの含有量×1.391218

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